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オジュウチョウサンの引退式が行われる
2022年12月25日 10時20分
12月24日(土)の最終レース終了後の中山競馬場において、JGⅠ9勝を挙げたオジュウチョウサン(牡11歳、美浦・和田郎厩舎)の引退式が行われた。同馬は通算成績40戦20勝(うち障害32戦18勝)。16~20年、22年の中山グランドジャンプ、16、17、22年の中山大障害を制し、史上最多となるJGⅠ9勝を挙げた。重賞は他に16、17年東京ハイジャンプ、16年東京ジャンプS、17、19、20年の阪神スプリングジャンプを制しており、計15勝。JRA賞最優秀障害馬を4度(16~18年、21年)受賞している。競走馬登録抹消後は北海道沙流郡日高町の坂東牧場にて種牡馬となる予定。
株式会社チョウサン代表取締役 長山尚義氏:ファンの皆様、本当にありがとうございました。どのレースも非常に印象に残っておりますが、特に感謝しているレースがあります。それは、武 豊 騎手に騎乗していただいた有馬記念です。夢の如くといった感じでした。夏の開成山特別から、たった半年で有馬記念まで上り詰めたということは、本当に漫画のようです。障害馬が有馬記念に出るということは、本当に信じられないことです。そして、世界の武 豊 騎手がこの馬を選んでくれたこと、このふたつのことに非常に感謝しています。種牡馬に求められるのはスピードで、オジュウチョウサンにスピードがあるのか心配する声も聞かれますが、有馬記念に出走したということは、ほとんどGⅠ級の馬であるということです。9着となりましたが、勝馬から4馬身くらいの着差でした。心肺機能が強いということです。オジュウチョウサンは4000メートル級のレースを何度も勝っています。心肺機能が強いに決まっています。引退を決意したのは10月です。電車の中で子供が『オジュウチョウサンが負けるはずない』と泣いている姿を見て、ファンの声を聞こうと思い、引退を決意しました。この後は暫定的に坂東牧場にて種牡馬となる予定です。
和田正一郎調教師:長い間頑張ってくれたオジュウチョウサンに、本当に良く頑張ったなと言葉を掛けてあげたいという気持ちと、私たちになかなかできない体験をさせてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。また、多くの支えてくれた皆様、応援してくださった皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。オジュウチョウサンの走りを見て『感動した』『生きる希望を見出した』というようなメッセージをいただいて、本当に偉大な馬だと思っておりまして、そのような馬を手掛けさせていただいたことは本当に幸運だなと思っております。
石神深一騎手:今日のラストランも1着を目指して頑張りました。オジュウチョウサンとは、いつもと同じように『ここから息を入れようか』『ここから頑張ろうか』という話をしました。勝てなくて悔しい気持ちはありましたけれども、無事にゴールしてくれたことが一番嬉しかったです。オジュウチョウサンは最高のパートナーです。
青山亮調教助手:調教中の思い出も色々ありますが、今こうして引退式を歩いている姿が一番記憶に残っています。普段のオジュウチョウサンは我が強くて元気いっぱいでした。まだ引退の実感が湧かないですが、離れる時間が長くなるにつれて、徐々に実感が湧くのではないかと思います。感謝の気持ちで『ありがとう』『お疲れ様です』と声を掛けたいです。
長沼昭利厩務員:正直なところ、とうとうこの日が来てしまったか、というのが一番の気持ちです。レースを終えて口を取った時には、自然と涙が出てしまいました。着順よりも元気に戻ってきてくれたことが一番です。オジュウチョウサンと別れたくないです。ファンの皆様、ここまで応援してくださり、本当にありがとうございました。本当に感謝しています。
坂東牧場 坂東正積氏: 厩舎の方々は、今日に至るまでヒヤヒヤしながら毎日管理されていたのではないかと思います。本当に、関係者の方々、スタッフの方々はご苦労なさったことと思います。たくさんのファンの方々に、お手紙や写真、色々なものを送っていただき、激励の言葉をいただきました。本当にありがたい馬だなと思っています。今後は、とにかく良い健康状態を保てるように、まずはしっかりとケアをして、ちょっとの間はゆっくりしてもらいたいと思います。今後も変わらず、温かい声援をいただければと思います。